亜紀の手術体験記

鼻の手術しました

鼻中隔も、周囲を残して丸くくりぬき、左穴から出した。 ホルマリン漬けになった私の鼻の軟骨が、今も家にある。 500円硬貨ぐらいの大きさはあろうか。 軟骨は再生しないが、手術前と鼻の形や強度が変わった感じはほとんどない。 手術は1時間半程度。 出血も200ccとちょっと(牛乳瓶1本分強くらい)で、すべて順調に終わった。

看護婦さんに呼ばれたような感じがして、麻酔から覚めた。 「もう終わったの?」これが最初に私が思ったことだった。 ほんの1、2分くらいしか経っていないように思えたからだ。 だんなと私の両親が、心配そうに私の顔を覗き込んでいた。 「今、何時?」と聞くと、やっぱり11時頃でしっかり時間は過ぎていた。 私の体も何かが確実に変わっているという実感がじわじわと込み上げてきた。

よく、ドラマで手術室に運ばれる人に向かって「がんばるんだよ」とか言うが、 手術中は麻酔が効いてるので、本人が意識して‘がんばる’ということは不可能である。 むしろ本人ががんばらなければいけないのは、痛みや不自由さを思い知る 術後のことだ。

鼻の痛みはなかったのだが、鼻の中は縫って止血できないので、 大量のガーゼを入れて圧迫止血してある。 当然鼻での呼吸は全くできない。 この日から、ガーゼが取れるまでの丸3日間、ご飯を食べる時も、 寝る時も、いっさい空気が鼻を通ることはない。 鏡を覗くと、 詰め物で鼻がジャキーチェンのような団子っ鼻になっていてショックだった。 唯一顔の中で気に入っている私の鼻が、 このまま固まってしまうんじゃないかと不安になったりした。

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