亜紀の手術体験記

鼻の手術しました

そんな私の気持ちをよそに、 周囲の人は「やるんなら早い方がいいよ。」と他人事のように口を揃えて言う。 それはその通りだから、悪気が無いのは分かるけど、 中には「鼻の骨を‘ノミ’でガンガンやるんでしょ?」とか 「私の父が昔手術したけど、相当痛かったらしい。」とか言ってくれる人もいた。

しかし、こんな鼻シュー生活からいいかげん開放されたいという思いが強くなって、 手術を受ける決心をした。 手術は入院3日目の朝9時からだった。

手術室にある手術用のベッドは体がやっと乗るくらいの幅しかなくて、 腕は腕用の台があり、Tの字になって仰向けにねた。 かけられたシートの下は、ほとんど全裸状態。 麻酔で眠った後、動かないようテープで全身貼り付けにされたらしい。 右腕は血圧計、左には点滴がついた。

「今から麻酔いれますからねー」という主治医の声の後、 「10cc(量は定かではない。)入りました。」という看護婦さんの声を最後に、 次に気が付いたのは手術室ではなく、病室のベッドの上だった。 麻酔は、だんだん意識が遠のくのかと思っていたけど、 知らないうちに、あっという間に麻酔にかかっていた。 かかった自覚すらない。 よっぽど私は麻酔が良く効くらしい。

手術はまず、充血して腫れる粘膜を削除した。 手術は全身麻酔で、すべて鼻の穴から行われ、 鼻の周囲や口の中は一切切開しないので、傷痕は表面上には残らない。 この粘膜は再生するが、再生した時にまた鼻が詰まらないよう、 そこにある小さな鼻の骨をわざと折って広げてある。 例の‘ノミ’を使ったらしい。

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