妊娠・出産・子育て記

妊娠・出産・子育て記

[ 出産編 | 入院編 ]

入院編

★1★ 何人でも欲しい

出産し終わって、最初に思ったことです。 お金と体力に制限がなければですけど。 子だくさんの家族をテレビで見ると、 なんでこんな…って思ってましたけど、少し気持ちわかった。 だっておもしろいし、感動だし、楽しいし、幸せなんだもん。 私が産まなきゃ、この世に存在し得ないんですよ、子供って。 他の誰もできない。他の人でも子供産めるけど、 私の遺伝子を持った子供は、私にしかできないの。 私がもし10人子供産んだとしたら、今の息子以外にあと9人の人間が、 存在しているかもしれないんですから(絶対無理だけど)。 現実的には、出産前は子供は2人と思ってましたが、 産後は3人くらいいてもいいかなーと思い始めてしまったりしてます。

★2★ 毛深いおサル

産まれたばかりの赤ん坊は、意外と毛深い。 両のほっぺたに産毛とは思えない長い毛が生えている。 背毛まで、背中一面にもうもう生えているのだ。 人間はやっぱりサルから進化したんだと思ってしまう。 誰に似たんだろうと考え込む。 私はワイルド系の男性が好きだから、毛深いのは構わないんだけど、 それにしたって今からこんなに毛深くなくたって…と思った。 後で聞くと、それは赤ちゃんの保温のために生えてるもので、しばらくすると 抜けてくると聞いて安心した。

★3★ しずしず歩きと筋肉痛

分娩室からベッドに移り、6時間たったら、起きあがっていいと言われる。 だがまだ縫合部分が痛いので、トイレに行くにもしずしず歩き。 座るのも、産婦用の真中に穴が空いている丸椅子に座る。 産後2日間は体の回復に努め、母子同室になって赤ちゃんのお世話を するための体力を戻さなければならないのですが、 初めての出産による興奮と感動、 いきみによる上半身の筋肉痛で丸っきり一睡もできなかった。 (おかげで母子同室になったらへとへとになる。) しかたがないからストレッチや体操をして時間をつぶす。 上体を思いっきりねじったり、前に倒したり、 妊娠中はできなかったことが、何ヶ月ぶりかに、 何の気兼ねもなくできる。あー、幸せ。くーっ、たまらないこの快感。 ただの体育座りでさえ、すっごく気持ちいいーっ!!

★ 4★ 持ち上げ方もわからんぞ!

出産の次の日、看護婦さんの指導で、初めて母乳を与えてみることになったわけですけど、 当然自分の子を抱っこすることになります。 「さーて抱っこしよっ」っと思った瞬間、 カート状のベビーベッドに横たわる赤ん坊の体を、どう持ち上げればいいかわからず、 私は固まってしまいました。 しょっぱなから出鼻をくじかれ、思わず看護婦さんに聞く私。 手前の腕を軽く上にひっぱって肩を持ち上げ、そこに手を入れて首の後ろを支える。 もう片方の手は、反対側からお尻の下にさしこめばそのまま持ち上げられるのです。 重心が体の真中にあるから、そこさえ支えれば手や足は持たなくても勝手についてくると。 後で冷静に考えてみると、至極当然といえば当然だったのですが、 そんなことも初産婦はわからないわけだ。 思わずなさけないを通り越して苦笑してしまった。 あまりに基本的過ぎるからか知りませんが、赤ん坊の持ち上げ方なんて、 育児書にも載ってないぞ。

★5★ 歯が生えてる

「うちの子はもう歯が生えているに違いない!!」 初めておっぱいを含ませたときに思った最初の感想だった。 もちろん生えてるわけないが、そう思うくらい痛かった。 まだほとんど出ないのに、がっしり吸いついて、ぐいぐいしてる。 まるで手加減なし。当たり前だけど。 赤ん坊の吸いの強さにあっけにとられた。まじぃ…? それから母乳育児への格闘が始まる。乳首が鍛えられて痛くなくなるまで。 私の左おっぱいは、陥没乳頭だったこともあって特に痛かった。 乳首が切れて出血を見たりすることもありました。 まさに半べそもんです。

★6★ オムツ換え洗礼

オムツ換え、お着替えの方法を一通り聞いて、いざ本番。 息子は産まれて2日、まだうんちが出ていないというので (普通はもう出るらしい)、看護婦さんが綿棒浣腸をしてくれる。 産まれて最初のうんちは、そう、あの緑色うんち。 浣腸したらいきなりにゅるっと出てきた。カット綿をお湯で濡らし、 お尻を拭くのだが、出きってないうちから拭きだしてしまったので (出きってしまってからの方がいいのに、まだ最初だから要領悪い)、 カット綿があっというまに汚れて拭くところがなくなる。 あわてて新しい次のカット綿を濡らして、必死になって拭いていたが、 赤ん坊が自分の足をうんちの上に置くので、 うんちが足にべっちょりついてしまう。 そのうんち足をオムツカバーにつける。「ひえー、じっとしてて」 と足のうんちを拭き取りつつ、新しいオムツカバーを探す。 (どうせ洗うので、汚れた布オムツでできるだけお尻をふき取り、 足につかないよう2つに折りたたんでお尻の下に挟み入れてから、 カット綿で拭けばいいのだが、まだ要領得ず。) あたふたしているうちにむき出しのおちんちんから、 おしっこが弧を描いて、肌着を直撃。 (隣で別の赤ちゃんが同じようにおしっこをして、 自分の顔に直撃させていた。) まだお腹の中にいた時のように両腕をかたくちぢこませて、 ファイティングポーズをしているので、腕を通すのが難しく、 慣れないとお着替えも一筋縄ではいかない。 結局オムツ、オムツカバー、肌着全とっかえ。 (肌着、オムツカバーは汚れなければ替えない。) おしっこ、うんち同時体験。 全然赤ちゃんって、心の準備とか、考えている時間とか、 段階的な体験スケジュールとか、関係ないのよね…。

★7★ 10cc?

産まれたばかりの赤ちゃんはほぼ2時間半から3時間おきに授乳をします。 だから1日に8回くらい飲みますが、 赤ちゃんが生まれて最初の1日目に飲む量は、1回につき なんと糖水10ccと書いてあった。 (だいたい1日毎に10ccづつ増えて、退院のころは80ccくらいになる。) 10ccっていったら、大さじ1もないよ。 そんなんで生きられるわけ?って思ったら、 赤ちゃんはまだ胃がひろがってないので、そんなにたくさん入らない、 少しずつ量をふやして胃を大きくするって聞いた。 なんか赤ちゃんって、面白くって変な生き物だなーと思いました。

★8★ ついに母子同室

出産2日後から24時間母子同室になった。 6人の大部屋で赤ちゃんがたくさんいるので、 慣れないうちは泣き声が自分の子かどうかわからない。 夜中に、「赤ちゃん泣いてるよー、早く気づいてあげてよ、 気になって眠れないなー」なんて、まだ同室前気分の夢うつつで思っていると、 実は自分の子だったってことありました。 「同室の皆さん、うるさくしてごめんなさい、 赤ちゃん長いこと泣かし続けちゃってごめんね」と思いながら、 そそくさと眠い目をこすりつつ、授乳室に行きました。

★9★ おっぱい十人十色

授乳室では当然たくさんのお母さんがいて、おっぱい丸出しで、 しぼったりもしているわけで。 初めは女の私でもちょっと気恥ずかしい。 そしておっぱいの大きさ、形、色の何といろいろあることよ! (そういうことは、男の人の方がくわしいですかね?)。 おっぱいの半分くらいが乳輪とかさ、巨乳で赤ちゃんの顔埋まっちゃうとかさ、 乳首が石ころみたいに大きくて、赤ちゃん吸いつけないとか…。 強烈だったのは、病室でお腹の大きい妊婦さんがいたので、 「これから出産ですか」と聞いたら、もう「産まれました」の返事。 じゃーなんでそんなにお腹大きいわけ?と思っていたら、授乳室で見て納得。 なんとお腹にまで下がるほどの超巨乳だったんです。とてもたまげました私は。

★10★ 無事出産は本当に幸せもの

私の知り合いには流産した人が結構たくさんいました。 子宮内膜症になったという友達もいます。 入院中一緒だった産婦の中には、 大きな総合病院だからってこともあると思いますが、 帝王切開の人が思ったより多かったのもびっくりしました。。 初めから何らかの理由(双子とか)で、帝王切開が決まっているなら、 麻酔で無痛分娩ができますが、普通分娩目指してがんばったけど、 子宮口がなかなか開かなかったり、開いて分娩台にまで上がったのに、 なかなか出せなくって、結局帝王切開になっちゃた人もいました。 帝王切開になると、入院日数も普通分娩の人より長くなり、 出産後まる1日は、起きあがってはいけないのでトイレにも立てません。 手術と同じですから、お腹に縫合あとも残ってしまいます。 切迫早産になりかけて、24時間点滴したまま、2ヶ月も入院して、 ぎりぎりまでがんばって産んだけど、未熟児で治療中のために、 母乳があげられないという人もいました。 何の問題もなく、順調に妊娠、出産できたってことは、 そうでなかった人の割合の高さから考えて、 とても幸せなことなんだなーとあらためて思いました。

★11★ 退院も雨?

私が入院して息子が生まれた日も、朝から雨が降っていた。 退院の日の今日も雨だ。息子は雨男かな?。 私のベットは大部屋だったけど、窓際だった。 (真冬なので寒かったが、見通しはいい。) 入院中の最後の食事の昼食を、窓の外を見ながら食べていたら、 いつのまにか雨が上がっていることに気がついた。 そしてふと良く見ると、虹かかかっているのが見えた。 半円の端から端までちゃんと見えるみごとな虹だった。 虹は10分ほどで消えてしまったが、 他の病室の患者や看護婦さんが集まって、ちょっとした騒ぎになった。 私はお天道様も息子の退院を祝ってくれているんだと勝手に考えて、 うれしくてひとりまた興奮していた。

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