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7月8日

 7時50分ロードス島に到着。とても大きな港でたくさんの汽船が接岸している。まず徒歩でロードスタウンを観光。600年以上も前に聖ヨハネ十字軍によって築かれた旧市街は城壁で囲まれている。考古学博物館騎士の宮殿など中世の建物が石造りの門や石畳によく似合っている。
 島の東海岸を2時間近くドライブして
リンドスへ。オリーブの木がたくさんあるがスペインで見たのより元気良く茂っているようだ。76段の石段を登るとアクロポリスの遺跡があって素晴らしい眺望が楽しめる。
騎士の宮殿 リンドス

 いったん船に戻って昼食。今日は夕方までこの港に停泊しているので、午後はそれぞれ自由にロードスタウンを歩き回る。19時00分トルコのクシャダシに向けて出港。 113海里(約209km)

今夜はキャプテン、ニコス・コフヤニス主催のカクテルパーティーが開かれ、歌やマジックなどのショーでにぎやかに盛り上がる。

7月9日
 
 7時クシャダシ(トルコ)の港に到着。他の旅行社の人たちと一緒にバスで古代都市エフェソス観光に出かける。2000年も昔に水洗トイレや床暖房の設備まであったとのことで、ハドリアヌスの神殿、大きな市場、ケルスス図書館、円形大劇場などの跡が残っている。
エフェソス 円形大劇場
12時00分パトモス島に向けて出港。 48海里 (約88km)

15時30分パトモス島に到着。テンダーボートで上陸してそれぞれ自由に散策する。他の島と比べるとひなびた感じで生活感があふれている。
 イエスの12人の弟子のひとり聖ヨハネがこの島で「黙示録」を書いたと伝えられている

夕食後は明日の下船に備えて船内での買い物などの精算をし、預けていたパスポートを受け取る。


7月10日
 朝目覚めるともうピレウスの港に到着している。8時バスでペロポネソス半島に向かう。アテネの町は地下鉄工事をしているが、どこを掘っても遺跡が出てくるので、工事が遅々として進まないとのことだ。アテネから80km、約2時間のドライブ後コリントス運河(高さ8m!)で休憩。

コリントスの遺跡


コリントス運河 ミケーネの遺跡
 聖書に出てくる 「コリント人への手紙」 のコリントとは此処コリントスのことだそうだ。ン十年も昔、結婚式の祝辞に 「コリント人への手紙」 第13章より 『 愛は寛容であり、愛は情け深い。また、妬むことをしない。愛は高ぶらない、誇らない・・・』 という言葉をいただいたことを思い出した。しばし反省(?)
昼食後
ミケーネの遺跡を見学。コリントスの Kalamaki Beach Hotel に宿泊

7月11日

 
バスでアテネの町へ。まず考古学博物館。チケットを配られ、集合時間を決めてそれぞれ自分のペースで見て回る。ギリシア各地の遺跡から発掘された様々な品物が展示されている。ミケーネの金をふんだんに使った宝飾品、特に「黄金のマスク」やアルカイックスマイルを浮かべた彫像「アナヴィンソズ・クーロス」、墓碑ばかりを集めた部屋など興味深い。サントリーニ島で発掘された「ボクシングをする少年たち」は実に生き生きとしている。


 


 日本料理店での昼食後
アテネ競技場へ。19世紀末の第1回近代オリンピックの会場となった場所で、その後の開催地の名前が刻まれている。1964年の東京の文字も見える。
 自称「井上順」というガイドは青山学院に留学していたとのことで、実に流暢な日本語を話す。「足元が滑りがちですのでご注意ください。」などというのでびっくりする。
フィロパポスの丘から向かい側のパルテノン神殿の全景を眺めた後、いよいよアクロポリスの丘に登る。大理石に真夏の太陽が照りつけるのでものすごく暑い。
直径が38mもあるヘロデス・アティコス音楽堂、勝利の女神ニケを祭ったアテナ・ニケの神殿、6人の女身柱が屋根を支えるエレクティオン神殿、そして紀元前5世紀に造られた
パルテノン神殿などたくさんの遺跡が広がる広大な地域だ。二千数百年も昔の遺跡から現代のアテネの町を見下ろすと何とも不思議な気がする。
パルテノン神殿(パンフレットより)

 Royal Olimpic Hotel に再びチェックインして自由行動。いつものようにガイドブック片手に一人で町を散策。ゼウス神殿、ハドリアヌスの門、ゴシック風のセント・ポール教会(英国国教会)、セント・ニコモデス教会(ロシア正教会)の前を通ってミトロポり大聖堂に行く。ギリシア正教のとても立派な教会でステンドグラスが素晴らしい。盛装した人たちがたくさん集まっているなと思っていたら、結婚式が始まった。おごそかな中にも参列者たちの愛情が伝わってくるような素敵な式だ。
大聖堂の前の広場にあるカフェテラスでコーヒーブレイク。言葉も分からない人たちの中でさわやかな風に吹かれてひとときを過ごす。○○の妻でもなく、△△の母でもなく、□□の娘でもない「私がただ私である」至福の時間だ。
風の塔を探しているとタベルナ(食堂)の客引きが「タコおいしいよ、イカおいしいよ。」と日本語で話しかけてくる。



風の塔

 夕食はバスでディナーショーに出かける。若い男女が歌い踊るが、何しろ言葉が全然わからないし、ギリシア音楽の独特のリズムにも数曲で飽きてしまう。

7月12日

 
10時50分SN 304 便でアテネからブリュッセルに向かう。約3時間20分のフライト。14時45分  SN 207 便で成田に向かう。

7月13日

 9時25分成田到着。カラカラに乾いたギリシアから帰ってくると,日本は本当にしっとりとした緑の美しい国だと思う。
ギリシアの古代文明と紺碧のエーゲ海に魅せられたツアーで、何十年も昔に習った世界史の教科書がよみがえってくる想いがし、とても印象深い旅だった。