2000年6月28日〜7月7日南仏からパリまで北上する8泊10日の旅をしました。
数々の美術品に出会い、また絵画の舞台となった場所を訪れました。
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***** 第1日目(6月28日) *****
13:05BA008便で成田出発。17:15予定より20分早くロンドン着。19:50BA352便でニースに向かう。2時間弱のフライトで、左側の窓際の席に座っていたら宝石箱をひっくり返したようなコート・ダジュールの素晴らしい夜景に息を呑む。
22:45ニース着。入国審査も何もなくてすぐにバスでモナコに向かう。MONTECARLO GRAND HOTEL さっと汗を流して床に就くが2時近くになっていて疲れた。
***** 第2日目(6月29日) *****
7階のダイニングで全員そろって朝食。さすがにフランスはメニューが豊富だしとてもおいしくてうれしい。隣の建物は有名なグラン・カジノでまるで宮殿のようだ。
エズ
城壁に囲まれた断崖の上の小さな村。細い坂道の両側に土産物屋が並んでいる。こんなところに街を作るのには大変な努力が要ったことだろう。
フラゴナール香水工場
エズの麓にある工場で香水や石鹸の作り方を見学する。薔薇の花やヒヨコの形をした石鹸を作っている。
モンブラン展望台
ニースの街並み、コート・ダジュール、たくさんの船が停泊している港が一望できる。朝は少し霞がかかっていたが、今は真っ青な空が広がって素晴らしい眺めだ。
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モンブラン展望台からの眺め |
ニースの賑やかな街で昼食。La Castia
プロムナード・デ・ザングレ
「イギリス人の散歩道」という名前の海岸通りを散歩する。日本の浜辺と違って砂利のビーチだ。たくさんの人がござやマットレスを敷いて甲羅干しをしている。中にはトップレスの勇敢な若い女性もちらほら。
シャガール美術館
ゆったりとした美術館で、シャガールの絵画の意味など説明を受ける。ステンドグラスのブルーが美しい。音楽ホールで開かれていた青少年のためのコンサートを特別見学させてもらう。ピアノにシャガールの絵が描かれている。
バスでモナコに戻る途中グレース・ケリーのレリーフを見る。車窓から見える家々の花が実に美しい。ハイビスカス、ブーゲンビリア、ペチュニア、藤、紫陽花、そして南米原産の花というきれいな薄紫ののジャカランダがすっきりと晴れた空に元気に咲いている。
モナコ聖堂
グレース・ケリーがグラシア・パトリシアという本名で眠っている。意外に明るいカテドラルでステンドグラスがとても色鮮やか。
朝日に輝くグラン・カジノ | エズ村 |
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ジャカランダの花 | モナコ聖堂 |
大公宮殿
衛兵が警護しているものの余り宮殿という感じのしない普通の建物。中には入れなくて30分の自由行動になったが、ものすごく暑いし、昨晩の睡眠不足でさすがの私も街を歩き回る元気なし。
7時ホテルのレストランPistouのテラス席で夕食。まだ日が高いが地中海の眺めを楽しみながらゆっくりと食事をする。色々な船が行き交っている。
***** 第3日目(6月30日) *****
エクスアン・プロヴァンス
セザンヌのアトリエを確実に見学できるよう7:15出発。一度休憩を取って10:00アトリエに到着。途中の車窓からポール・セザンヌが何枚も描いたというサント・ヴィクトワール山がよく見える。日本人が「山」という言葉から思い浮かべる姿とは違って岩山が多い。緑の木々に囲まれた静かなアトリエには、絵の題材になった花瓶、グラス、頭蓋骨、スケッチに出かけた時のコートや帽子などそのまま残っている。庭のベンチに腰掛けていると空気が澄んでいてとても気持ちがいい。
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セザンヌの描いた「サン・ヴィクトワール山」 | サン・ソヴール大聖堂 |
サン・ソヴール大聖堂や市庁舎前広場の朝市など旧市街を観光。蜂蜜の種類が多い。
この街は12世紀からプロヴァンスの首都として栄えたとのことで、現在では大学の街として有名とのこと。
ミラボー通り
一番の繁華街らしいが工事中で騒音と埃がひどい。18世紀開業のカフェ、ドゥー・ギャルソンにはセザンヌもよく通っていたという。SAINT CHRISTOPHE
HOTEL で昼食。
アルル
郊外にあるゴッホの跳ね橋へ。もちろんオリジナルではなく復元されたものだ。子供たちが川に飛び込んで水遊びをしている。
円形闘技場
ものすごい暑さの中、最上階まで頑張って登る。アルルの街並み、ローヌ川を見渡せてとても眺めがよい。紀元前2世紀ごろに造られたとのことだが、今でも闘牛など行われている。
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円形闘技場からローヌ川を望む |
夕方アヴィニョンに到着。二階建てのローカルな MERCURE SUD HOTEL
***** 第4日目(7月1日) *****
アヴィニョン
今朝はゆっくり9:30出発。まずサン・ベネゼ橋をバックに写真を取る。有名な「アヴィニョンの橋の上で♪♪♪」の歌に出てくる橋だ。アヴィニョンの街をぐるっと取り囲んだ城壁につながっているが、洪水で流されて橋は途中までしかない。
旧市街を歩いて観光する。プチ・パレ美術館、ノートル・ダム・デ・ドン大聖堂、法王庁など。14世紀から15世紀にかけて法王がローマを離れてこの法王庁で過ごしたとのことだが、教会というより要塞のような建物だ。パレ広場にはミニの観光電車が走っていてたくさんの観光客が乗っている。
Brasserie le Cientra で昼食。街はいまちょうどお祭りでショッキングピンクのゴム手袋がまるで七夕の飾りのようにあちこちにぶら下がっている。
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法王庁 | 法王庁の中庭 |
リヨン
昨日も今日も道の両側にひまわり畑が広がっている。緑の牧草地と黄色のひまわり畑のコントラストが美しい。どころどころ濃い紫色のラベンダーも咲いている。
ローマ劇場を車窓から眺めて丘の上に立つノートル・ダム・ドゥ・フールヴィェール寺院に着く。パステルカラーのステンドグラスが素晴らしい。モザイクタイルと金色のマリア像が印象的。展望台からリヨンの街を眺めながら、この街に留学していた若き日の遠藤周作を偲ぶ
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ノートル・ダム・ドゥ・フールヴィェール寺院 | リヨン旧市街の街かど |
旧市街に降りてサン・ジャン大司教教会に行く。こちらは色鮮やかなステンドグラスだ。14世紀に作られたという天文時計がちゃんと動いている。建物の中の抜け道トラブールを通ったりして5時頃 GRAND HOTEL CONCORDE にチェックイン。
***** 第5日目(7月2日) *****
7:40出発。 中世で時計が止まってしまったような小さな町ブールジュでサント・エティエンヌ大聖堂に立ち寄る。外壁にはおびただしい彫刻が施されていて、首を落とされた聖人たちの姿が印象的だ。ステンドグラスから降り注ぐ柔らかな光の中で赤ちゃんが洗礼を受けていた。Le Colbert で昼食。
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サント・エティエンヌ大聖堂 |
シュノンソー城
駐車場からプラタナスの並木道を歩いて行くと、両側にはアンリ2世の正妻と愛人の名前の付いた美しい幾何学模様の庭園が広がっている。城館はシェール川をまたぐように建てられていて、川では若者たちが舟遊びに興じていた。細長い階段を昇ったり降りたりして広い城内を見て回ったが、期待していたほどの美しさではない。18世紀にはモンテスキュー、ヴォルテール、ジャン・ジャック・ルソーなどが招かれて滞在したとのこと。
シュノンソー城の正面 |
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シェール川から見たシュノンソー城 |
18:00頃トゥールに到着。HARMONIE HOTEL は各部屋に音楽家の名前が付いていて、私たちの部屋はブラームス。これまではホテルのダイニングで夕食を取っていたが、今日は全員で歩いて数分のところにある駅のレストラン
Le Relaisで食事。これはこれで楽しい経験だった。
サッカーヨーロッパ選手権にフランスが優勝して同宿の若者たちが大騒ぎするし、街を走る車のクラクションが夜遅くまでけたたましい。
(続く)
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