アメリカ南部、オクラホマを中心に1970年代初頭に誕生したスワンプロック。デラニー&ボニーやレオンラッセルを中心に始まったが、その影響は、現地ミュージシャンだけでなく、ジョーコッカーやクラプトンといった英国ミュージシャンへも波及した。らしい。
『Eric Clapton』 (1970年) Eric Clapton(エリック・クラプトン) デラニー&ボニーとのツアーでアメリカ音楽に目覚めたクラプトンが初のソロ作品、ブルースロックをベースに「歌モノ」に真剣に取り組みはじめた。
『L.A. Getaway』 (1971年) Joel Scott Hill, John Barbata, Chris Ethridge ”名盤探検隊”でCD化されたスワンプの名盤。参加メンバーはドクター・ジョン、レオン・ラッセル、ブッカー・T、クラレンス・ホワイト、などなどの南部サウンドを支える職人達。ジャケ買いしそうなくらい渋いアルバム・ジャケットだが、中身ももれなくカッコイイ曲が並ぶ。ほんと大傑作!
『Roger Tillison's Album』 (1971年) Roger Tillison(ロジャー・ティリソン) 当初はリヴォン・ヘルムのプロデュース、ウッドストック録音のはずが、結局ジェシ・デイビスのプロデュースの元、ロスで録音された。しかし曲には、ディラン、ザ・バンドの”ビッグ・ピンク”録音の曲が含まれ、スワンプロック/ウッドストックという枠を超えた名作。この作品以後、30年近く沈黙を続ける。
『Mother Earth』 (1972年) Tracy Nelson(トレイシー・ネルソン) 癒し系。マリアマルダー同様に、「昔はずいぶんスリムでした」という彼女の72年の作品。エリック・ジャスティン・カズ、ボビー・チャールズ、ジョン・ハイアットなどの作品をゆったりと歌い上げる。
『The Train I'm On』 (1972年) Tony Joe White(トニー・ジョー・ホワイト) 初めて聞く人は、その渋い声にいきなりやられるだろう。楽器編成はムダなくシンプル、ワイルドで荒削りな中低音を活かしたギターのカッティング、タイトでファンキーなリズム、、やさぐれた男のロック&ソウルを聞かせてくれる名盤。
『Willis Alan Ramsey』 (1972年) Willis Alan Ramsey(ウィリス・アラン・ラムジー) シェルター・レーベルから1枚だけ(たぶん)しか発表しなかったウィリス・アラン・ラムジー。レオンラッセル、ジム・ケルトナーのサポートは当然、予想できるが、ニック・デ・カロが登場してしまうあたりは、購入欲をそそること間違いなし。
『Prone To Lean』 (1974年) Donnie Fritts(ドニー・フリッツ) ダンペンと共に伝説化しているドニー・フリッツの名盤。Dan PennやTonyJoeWhiteら盟友との共作もあり、楽しめる1枚。「Sumpin' Funky Going On」の間奏で展開されるTony Joe White(T)が乱入し、Donnie Fritt(D)の駆け引きにもニヤけてしまう。
『Home At Last』 (1974年) Wayne Berry(ウェイン・ベリー) ウェイン・ベリーの74年の作品。ジャクソンブラウン、ジェシ・デイビス、ネッド・ドヒニーといった西海岸ミュージシャンがサウンドを支え、録音はマスルショールズにナッシュヴィルというから気合いが入ってる。もちろん中身もアーシー&アットホームで、落ち着いた大人のロックを楽しめる。
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