ニューヨークをさらに北上し、山々に囲まれた閉鎖的な地域、ウッドストックでなぜあれほど魅力的なサウンドが生まれたんだろう。 しなやかな草花のゆらぎ、優しい木々の軋み(きしみ)、おだやかな空気、母性的な土の臭いの中で音楽は意図して作られたというよりも、必然として生まれ落ちたのかもしれない。
『Jesse Winchester』 (1970年) Jesse Winchester(ジェシ・シンチェスター) 60年代はロニー・ホーキンスのバッキング(ギター)をしていたというキャリアの彼が、ヴェトナム戦争に行かず、ロビー・ロバートソンとカナダで録音したというアルバム。ザ・バンドの仲間が演奏し、ベアズヴィルからの名盤。
『Sweet Potato(スウィート・ポテト)』 (1972年) Goeff and Maria Mulder(ジェフ&マリア・マルダー) 夫婦競演としては2作目であり最後の作品。相変わらず彼らの趣味であるオールド・ジャズ、ブルース、ヒルビリーなどのアメリカン・ルーツ・ミュージックを、エイモスのギター、ポール・バターフィールドのハープ、ビル・キースのペダル・スチールが彩る。特に、ビリーホリディの「ラバーマン」を歌うマリア・マルダーには心底うっとりする。
『Don't It Drag On』 (1972年) Chris Smither(クリス・スミザー) Blind Willie McTellといったカントリーブルースのカバーから、ストーンズ、デッドといったロックナンバーのカバーまでを、独特の歌声で聞かせる。エリックジャスティンカズ、ベンキース、ボニーレイット、マリアマルダー、ハッピートラウムなどのウッドストック人脈のミュージシャンが名サポート!
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