ロシアの小径 

 

〜日本で見つけたロシア・ネタ。ちょっと寄り道してみませんか?〜

 

菓子ベリア更新、Hokkaidoマトリョーシカ追加しました!(1106月)


l         ロシアケーキの謎

l         ロシアパン

l         菓子「シベリア」

l         Hokkaido マトリョーシカ


◆ロシアケーキの謎

 

  皆さん、「ロシアケーキ」というお菓子をご存知ですか? ケーキという名前ですが、ジャムやチョコレート、ナッツ等がのっている、食べがいのある二枚重ねのクッキーです。

 美味しいお菓子ですが、なぜ「ロシアケーキ」と言うのでしょうか。ロシアでこうしたお菓子を見た記憶はありません。ロシアに長期滞在経験のある知人たちも首を傾げていました。イメージからのネーミングでしょうか。

 

栄光堂製菓(東京都東村山市)

初めて出会ったロシアケーキは栄光堂製菓という会社が作ったものでした。住所は東京都東村山市です。東村山でロシアケーキ…。うーん、謎は深まるばかりです。どうしても疑問を解きたくて、袋に書かれた連絡先に電話してしまいました。電話で応対してくれた栄光堂製菓の男性は、「私が知っている範囲ですが」と前置きして、丁寧に話してくれました。

 

――ロシアケーキの由来

なんでも、新宿中村屋の工場長がロシアで食べたお茶菓子が日本で再現されたのが始まりのようです。時期は、正確には不明だが、5060年ぐらい前と思われます。戦後すぐでしょうか。

――ロシアケーキとはどんなケーキ?

基本は「二度焼き」だそうです。商品を見ればわかるのですが、まず丸いクッキーを一枚焼き、その上にメレンゲやクッキー生地を絞り出してもう一度焼くのだそうです。そして、まん中にジャムやクリームをのせたり、ナッツをトッピングしたり、全体をチョコレートで包んだりするようです。

 

――ロシアケーキと中村屋

 現在、中村屋はロシアケーキを作っていないのだそうです。ただし、工場長が千葉県館山出身だった関係で、館山駅前にある中村屋だけは今でも手作りのロシアケーキを販売しているという話でした。

 本当にロシアで食べられていた菓子がルーツとわかり、嬉しくなりました。少々大げさかもしれませんが、日本とロシアの交流史の一ページに触れたような気がしました。栄光堂製菓さん、ありがとうございました!(0701)

 

★亀屋万年堂

やはりジャムやチョコレート、ナッツなどが飾られた二枚重ねのクッキーで、パッケージにはしっかり「二度焼き」と書いてありました。

いちおう亀屋万年堂にも電話でロシアケーキの由来をたずねてみました。応対してくれた若い男性はとても親切で、わざわざ調べてかけなおしてくれました。

 

栄光堂製菓の方の説明とほぼ同じで、新宿中村屋が昭和初期、ロシアの製菓技師を招いて作ったのが始まりとのこと。特徴は二度焼き。一度焼いたクッキーの上にナッツ類や卵白などをのせてもう一度焼く。ただし、亀屋万年堂は自社で製造はしておらず、販売のみしているとのことでした。(0702)

 

★コトブキ

今度はコトブキのロシアケーキを入手しました。少々前衛的なデザインの箱も魅力的です。中に入っていた説明カードによると、「ロシアケーキは、フランス菓子のガトーセックがロシアに伝わり、その歴史と風土の中で育まれたお菓子」とのことです。今度は、日本に伝わる前の、ロシアで誕生した背景がわかりました。つまり、フランスからロシアに伝わったケーキが日本に伝わったことになるようです。歴史を感じませんか?(0702)

 

    ぎんざ花のれん

少々小ぶりですが基本の「二度焼き」は同じです。種類は4種類。このお店はおかき・せんべいが有名のようですが、そのせいか包紙もなんとなく和風でした。(0703)

 

 

 

    中山製菓(栃木)

パッケージは違いますが製品は亀屋万年堂と同じでした。一つの工場で作られた製品を複数の業者が販売しているのでしょうか。上野のアメ横、有名な「二木の菓子」で見つけました。(0704)

 

 

    栄光堂製菓の新作

最初に紹介した栄光堂製菓のロシアケーキの新作を見つけました。種類は6種類。味やデザインなど、バリエーションが豊富です。ロシアケーキも進化しています(0808月)。

 

 

 

   村上開新堂(京都・寺町二条)

創業明治37年という京都最古の洋菓子店のロシアケーキ。12個入りを購入したのですが、包装紙を開くと、赤いリボンが結ばれたのし付の箱が姿を表し、老舗の風格を感じました。アプリコット、レーズン、チョコレート、ぶどうジャムサンドの4種類で、やはり二層(二度焼き)でした。11つのパッケージの裏に商品名が書かれたシールが貼ってあり、大切に作られたことがうかがえました(0810月)。

 


  ロシアパン

 

    山崎製パンのロシアパン・シリーズ

 

コンビニで、山崎製パンの「ロシアパン」を発見しました。なによりもまずその大きさにびっくり! 長さ30cmはありそうな楕円形の巨大パンで、上に砂糖がかかっていました。

どうして「ロシアパン」とい名前なのでしょうか? 

 

 

――命名の由来

袋に印刷された説明書きによると、命名の由来はこの大きさと形にあるようです。確かにロシアではこのぐらい大きな楕円形の白パンを売っています。薄くスライスして料理と一緒に食べる、味のついていない普通のパンです。

この「ロシアパン」は甘くふわふわした菓子パンでした。1700kcal余り!3回に分けて食べました。

 

――バリエーション:レーズンに黒糖

山崎製パンはこの「ロシアパン」シリーズを以前から販売しているようです。これまでに「レーズンロシアパン」、「沖縄黒糖ロシアパン」を見つけたことがあります。

次はどんな「ロシアパン」が登場するのか。注目です。(0805月)

 

――シュガーマーガリン味

 「ロシアパン」の新作を発見しました! シュガーマーガリンです。 「ソフトなパンにシュガー入りマーガリンをサンドしました」と書かれています。

 山崎製パンの基本のロシアパン、つまり大型のコッペパンに、切れ目を入れ、砂糖入りのマーガリンを「塗る」のではなくまさに「はさんだ」ものでした。それにしても、「マーガリンに砂糖を混ぜる」、そしてそれを「クリームのようにパンにはさむ」という発想はすごいと思います。想像にたがわず、高カロリーで甘いパンでした。

でも、おそらくこの「高カロリー」と「甘さ」こそが、一般に考えられているロシアのイメージなのかもしれませんね。(0812月)

 

━━カフェオレクリームサンド

久々に新商品を発見しました。 「ロシアパンサンド・カフェオレクリーム」です。「ロシアパンになめらかなカフェオレクリームをサンドしました」とあります。まさにその通り。基本のロシアパン=大型コッペパンにカフェオレ味のクリームがはさんでありました。甘さは控えめでしたが、1個の熱量が536kcalとやはりカロリーは高いです。

商品名が単なる「ロシアパン」ではなく「ロシアパンサンド」となっていたのにちょっと期待がふくらみました。中味の違う商品が今後登場してくるのでは?(1010月)


◆菓子「シベリア」

 

羊羹をカステラではさんだお菓子、「シベリア」。「シベリヤ」とも言うそうです。聞いただけでも甘さの想像がつきます。このコンビネーションはいったい誰が考えたのでしょうか。そもそもこれは洋菓子なのでしょうか和菓子なのでしょうか。そしてなぜ「シベリア」という名前なのでしょうか。疑問は尽きません。

名前の由来は諸説あるようですが、ネットで少し調べてみたところ、「シベリアの冬風景をイメージした」というのが有力なようです。カステラの雪の中を貫く羊羹の道路とか、カステラの雪原を羊羹のシベリア鉄道が走っているとか。

 

★山崎製パンのシベリア・シリーズ

 

――シベリアデラックス、沖縄黒糖味

なぜか「ロシアもの」が多い山崎製パンさん。4切れ入りの「シベリアデラックス」、3切れの普通の「シベリア」の「沖縄黒糖味」を見つけました。「抹茶味」も見たことがあります。(0809)

 

 

――さつまいも餡

 「黒糖味」に続き「さつまいも餡」を発見! 季節限定品でしょうか。黄色の羊羹はたしかに芋の味がしました。さて次は何味か!(0811月) 

 

 

 

――三角シベリア

手のひらサイズの「三角シベリア」を見つけました。サンドイッチのようなパッケージ入りです。食べ切りサイズでありがたいです。それでも容赦ない甘さでした。(116月)

 

 

 

 

    第一パンのシベリア・ケーキ 

半円形で、羊羹をはさむのはカステラではなくふわふわのスポンジケーキでした。夏季商品で、冷やして食べると一層おいしいようです。 (0808)

 

 

 

    フジパンのシベリア 

三角形にカットしたシベリア2切れ入り。こちらもカステラではなくスポンジケーキでした。形と大きさが食べやすかったです。(0905月)

 

 

 


Hokkaidoマトリョーシカ

 

北海道の長谷製菓株式会社の焼き菓子。http://www.hase-seika.co.jp/blog/2010/03/post-11.html

箱そのものもメルヘンチックな風景が描かれていて素敵ですが、フタを開けると、花柄の透明な袋に入った愛らしいマトリョーシカ5個が姿を現します。ちょこんと並んだその姿には思わず声をあげてしまいます。値段は1630円。

 

北海道でしか採れない果実ハスカップの餡とジャムを、チーズ風味のスポンジとホワイトチョコで包んだ卵型のお菓子。マトリョーシカが印刷された包装紙に包まれているのですが、それぞれが違った北海道名物─アスパラガス、ライラック、カニ、ソフトクリーム、クリオネ─を手にしています。「季節や気分によって手にしているものが変わる」ようです。

 

箱の中に入っていたしおりには次のように書かれていました──「北海道のどこかに棲んでいるマトリョーシカ。ときどき、人里に下りてきて、お気に入りの何かを届けてくれます。美しいお花や、おいしい野菜、時には小さな動物も…。あなたは、マトリョーシカから何をもらいましたか?」。まさにストーリーのある、絵本のような北海道土産です。

 

外側はチョコレートなので洋菓子かと思ったら、中身が餡なのでまんじゅうっぽく、どちらかと言うと和菓子に近い気がしました。「チョコ饅頭」というお菓子がありましたが、そんな感じかもしれません。和洋折衷かな。

 

 

どうしてマトリョーシカなのかが疑問ですが、たぶん北海道の人には、少なくとも東京の人よりはロシアが身近なのだと思います。地理的に近いですし、そのせいで交流も多いでしょうし、気候も似ています。ロシアから海を渡ってやって来たマトリョーシカが北海道には棲んでいるのかもしれませんね。(116月)