センタリング進化論   あるいは、BLUE氏のセンタリングの歴史 (中級者向け)

ORION紀           制御対象:体重移動(on/off)、ブレークコード

 この時代は、サーマルにはじかれないように、ガバッと体重移動して、 後は内側のブレークコードを一定量引いて、旋回半径を決めていただけでした。
 それだけで安定した旋回が行えた、今思えばシンプルで幸せな時代でした。


MERAK代           制御対象:バンク角、外翼の押さえ

 この頃、ORION紀の様な操作を行うと、旋回時に横揺れ(ローリング)が発生し、 センタリングが円形にならず、多角形あるいは星型になってしまい、とても苦労しました。
 内側ブレークと体重移動のタイミングや、操作量を慎重に決めて、一定のバンク角になるようにしていたの憶えています。  外翼の押さえを憶えたのもこの頃でした。


XENON/ESCAPE時代   制御対象:パイロットに対する頭上のグライダーの位置

 正直言って、XENONは、MERAKよりも旋回がオートマチックだったので、簡単にきれいな円旋回ができました。
 その分の余裕を、いかにスムーズな切れのいい(=サイドスリップの無い効率の良い)旋回を行うかに回す事ができました。
 この頃は、コーディネートされた(=旋回の遠心力とバンク角がバランスした)旋回を行うために、自分に対して、一定の位置に グライダーが来るようにコントロールする事(=ピッチとバンクの調整)に集中していました。
 また、乱流中でも一定の位置に機体を保つために、体重移動や、ブレークの量を細かく調整し続ける事もこの頃憶えました。  こうして、決まった量のブレークや体重移動を行う事が意味を失い、制御対象として意識する事が無くなりました。


BOOMERANGの世紀     制御対象:揚力中心の方向

 さて、近代における旋回コントロールですが...まだ未完成です。
 詳しくは書きませんが、現代では、翼に発生する揚力の中心が、翼の中心から左右・前後に移動してしまうようです。
 そのため、バンク・ピッチ角と旋回の遠心力を調整しても状況によっては安定して旋回できません。
 今は、翼の揚力の方向を感じて、旋回遠心力とのコーディネートをとるようにしています。



 以上、見てきたように、時代によって制御の対象が移り変わってきたのが解ると思います。
 いま、例えば、「旋回中どのぐらいブレーク引いてる?」とか、「体重移動は?」とか聞かれても、全然答えられません。
 旋回中、意識は別な制御の対象に集中していますから。

 スクールで習えるのはORION紀のコントロールまでですね。
 でも最近は、中級機まではORION紀のコントロールで飛べるようにチューニングされているようですから、こんなことに悩む必要もないかもしれません。

 もし、あなたがより上級の機体にステップアップして、旋回が上手く行かなくなった時。  制御の対象を、ブレークコードから、より上位の対象に変えてみるとうまく行くかもしれません。

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