定性的議論

 定性的議論とは何か?  物事の性質の面に着目して、議論を行うことです。
  「こんな定性的な議論をしていてもしょうがない!」
 こんなフレーズを聞いたことはありませんか?
 (超上級者向けの言葉なので、普通の人は使わない方が身のためです。)

 定性的の反対語は定量的なんですが、(意味は辞書で調べてね。) 定性的議論のどこがいけないのでしょう?
定性的議論 例−1

知識1:沸騰したお湯は熱い
知識2:沸騰したお湯に手を触れると火傷する
知識3:赤熱した鉄は熱い

推論:知識1+知識2=熱いものに触れると火傷する。
      +知識3=赤熱した鉄に手を触れると火傷する。

定性的議論 例−2

知識1:赤熱した鉄は熱い
知識2:赤熱した鉄に紙をつけると火がつく
知識3:沸騰したお湯は熱い

推論:知識1+知識2=紙を加熱すると火がつく。
      +知識3=紙にお湯をかけると火がつく。

 さて、どこがいけなかったのでしょう?
 どちらも、同じように論理的にみえますが、例−2は、とんでもない結論に到達しています。

 じつは定性的な議論は、すでに観測された事実を説明するときにはとても役に立つ(必要)なのですが、 定性的な議論によって推論を行うと、正しい結果が得られるとは限りません。

 ところで、インターネットを含めて世間一般で行われている議論の大半は、このような定性的議論です。 困ったものです。

 どこがいけないのか判ったあなたは、うーん。少数派です。世間一般の議論に参加すると弾圧されるでしょう。

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